【LPAの会】コラム5 知っておきたいくらしのお金「葬儀で気になるお金のはなし」

知っておきたい くらしのお金

葬儀で気になるお金のはなし

少産多死の時代といわれ平成30年の三重県の出産数は12,582人、死亡数は20,900人でした。人生最後のイベントともいえる葬儀ですが、先日の新聞に「50代の息子を逮捕 亡くなった80代の母親の葬儀代が払えないと自宅に放置していた疑い」との記事がありました。親の葬儀代が払えない?なぜ?いったいどれくらいかかるの?そんな疑問がわき、現在の葬儀のお金を調べてみました。


葬儀の形式

 葬儀は地域や宗教などによって異なっています。かつては自宅で、親族や近所も総出で「お弔い」をしましたが、最近は9割がたが斎場、葬儀会館で行われ、形式も多様になってきています。

 亡くなられる方の高齢化に伴い、現役時代のつながりや友人知人の参列が減り、結果的に家族葬になる場合もあるかと思います。また家族葬と言いながら近しい友人は参列される事もあるでしょう。施行数の48.9%は一般葬、40.9%が家族葬でこの二つで施行のほぼ90%となります※。費用的には一般葬が最も高額になり、直葬・火葬式は安価です。松阪市の場合、市篠田山斎場で火葬式を施行すると4万円程度で済みます。(亡くなった方が松阪市民の場合)また廉価な葬儀をウリにする事業者に依頼すると提携斎場での施行となり、立地によっては自宅から離れた斎場で葬儀を行うことになります。※葬儀に関するアンケート 2020 鎌倉新書


葬儀費用はどれくらい?

 ではそういった葬儀にどれくらいの費用をかけているのか見てみましょう。

① 葬儀一式費用
祭壇、棺、収骨容器、ドライアイス、遺影写真、搬送代など

② 飲食接待費
通夜ぶるまい、告別式後の精進落とし、会葬返礼品

③ 宗教関係費用
仏式の場合 お布施 戒名 

①は、以前は祭壇を白木か生花か、棺は白木か布張りかと個々に選べましたが、最近ではセットになっていることも多く、祭壇の価格によって棺や収骨容器も違ってきます。コープみえの葬祭事業「まどか」の扱いでは平均約114万円(2020年4月~8月)になっています。

②の飲食接待費は参列者の数によっても変わってきます。

③は、宗派や仏教ならば檀家かどうかなど各家庭の事情によってかなり異なります。仏式以外ですと戒名料は必要ありませんので安くなる傾向にあります。

 三つあわせると約200万円になりますが、葬儀では香典をいただくことも多く、実際に必要な金額はこれよりも少ないと考えていいでしょう。

 また2007年の同じ調査では下の金額になっています。

 10年で15%ほど下がったことになります。コロナ禍の影響、高齢化、地域のつながりの変化などにより、これからも低下していくことが予想されます。

葬儀を安く挙げたい!もらえるお金はあるの??

 県内の市町は一部を除いて公営の火葬施設とそこに併設隣接して斎場を持っています。但し、基本的に貸斎場で葬儀を施行できる機能はありません。松阪市篠田山斎場のみが棺やその他消耗品の手配ができます。ほかの市町は葬祭業者に依頼しないと棺など最低限のものも用意できないということです。そのため直葬・火葬式であっても10万円前後かかると思われます。

 亡くなられた方や遺族が生活保護で困窮している場合は葬祭扶助が市町から受けられます。葬儀施行前に市町や福祉事務所に申請することが条件です。宗教的な儀式は行えません。

 一般にもらえるお金は1つ~2つです。

 国民健康保険制度・後期高齢者医療制度に加入されている方は5万円程度の葬祭費各健康保険制度の方にも5万円程度の埋葬料が申請により喪主に支給されます。葬儀の領収書が必要です。とっておきましょう。サラリーマンのかたは会社に弔慰金制度があれば、それを受け取ることができます。

生命保険で葬式代を準備する?!

「お葬式代のための準備は保険で」といった生命保険の広告をみかけることがありますね。

 確かに「自分の葬式代くらいは準備しておきたい」と思う心情はわかります。ただ死亡保険金は死亡しなければ支払われません。また保険金の請求には除籍謄本(死亡が記載された戸籍謄本)が必須です。この除籍謄本は死亡届が本籍地で受理されて初めて作成されます。そのため手元に届くには場合によっては2~3週間かかり、そのあと保険会社に請求となるので死亡時から振り込まれるまで3~4週間かかる場合もあります。

 保険金即日支払いサービスを行っている会社もあります。加入している保険会社に扱いや要件を確認しておきましょう。

 葬儀の支払いはまだまだ現金や振り込みが多くその期限は2週間程度です。まして宗教関係の支払いは当日現金となります。いずれ保険金が下りるにしろ一定の現金は準備しておいたほうが安心です。

元気なうちから話し合いを

 葬儀の準備はなかなか手の付けにくいものです。しかも差し迫るほど触れにくくなります。やはりある程度元気なうちから

①葬儀の形式と宗派があればその確認

②訃報をお知らせする方の範囲

③葬儀用資金の手当て

 などは家族で話し合っておくことをお勧めします。希望の葬祭業者や葬儀形式があったとしても、その情報をきちんと家族で共有をしていないと、いざというとき希望通りにいかなかったり、揉める原因にもなりかねません。「後悔のない」お葬式のために葬祭業者の学習会※などに参加してイメージやおおまかな費用を知っておくことも一つの手助けになりますね。※コープみえ「まどか」の葬祭学習会も各配送センターなどで随時開催しています。

 葬儀で大切なことは故人の遺志を尊重しつつ、残された家族も心おきなくお別れをして気持ちに区切りを付けられることです。満足のいく葬送を行うためには何百万円かけようが、たとえ4万円であろうが、心とお金の準備が大事だといえます。