外貨建て保険はどんな保険? コープみえLPA(エルピーエー)の会
銀行や保険会社で外貨建て保険をすすめられたことはありませんか??どこがオトクなのか?デメリットは何か?知っておきましょう。
外貨建て保険の仕組み
外貨建て保険は 払い込んだ保険料が外貨(米ドル、豪ドル、ユーロなど)で運用されるものです。原則として外貨で保険料を払い込み外貨で保険金、解約返戻金を受け取ります。
例えば証券に
保険金額 50,000米ドル
口座振替月払い保険料 50米ドル
といった表示がなされています。多くの場合、円換算払込特約、円換算支払い特約を付けて保険料を円から米ドルに換えて払う、保険金も外貨で払われ それを円に換えて受け取るということになります。外貨のままで受け取れる商品もあります。
外貨建てのよさは?
日本の預金利率は都市銀行で0.001%、ネット銀行でも0.01%程度が主流です。ところが米国の10年国債利回りは、かつては5%、最近でも2~3%台で推移していたので、その高金利を利用して高い保険金の受取を期待するものでした。
メリット
① 高金利で運用されるので運用益が期待できる
② 生命保険料控除が適用される
③ 円以外の資産が持てる(資産の分散)
デメリットも知ろう
一方、外貨ならではの注意点もあります。
① 円での元本保証がない
② 手数料が高い (両替手数料+運用手数料は高め)
③ 為替リスクがある
外貨で元本が保証されていても、円では元本保証されていないことがあります。
保険料を払うとき、保険金をもらうときに両替が発生し円→1米ドル0.5円、1米ドル→円0.5円程度かかります。(円換算払込特約、円換算支払い特約付加の場合)運用手数料も一般的に高めです。
つぎに為替を見てみます。
例えば米国ドル建て保険 保険金50,000米ドル。
保険金:50,000米ドル
加入時の為替:1ドル=100円
加入時の払い込み:500万円
満期時には55,000米ドルの保険金が得られた場合米ドルベースでは5,000ドルの利益が出たことになります。これを日本円にしようとすると
満期時の為替:1ドル=100円の場合、受取保険金は550万円
満期時の為替:1ドル=110円の場合、受取保険金は605万円
満期時の為替:1ドル=90円の場合、 受取保険金は495万円
満期のときに加入時の為替よりも円安もしく同水準ならば損失は出ませんが、円高になると損失が発生する可能性があります。
これからの外貨建てはどうなる?
海外、特に米国の高金利を期待して、これまで外貨建て、米国ドル建て保険商品が売られてきました。長期保有で為替変動のデメリットを補う商品として、学資保険や定年後の資産運用、相続対策のための保険としてすすめられた方もおられることでしょう。ただコロナ禍で米国の10年国債金利は急落し、0.9%前後となっています。これらをうけ、大手生保は外貨建て商品の販売を休止したり、予定利率を見直すところも出てきました。
外貨建ての保険は、高利回りなどのメリットばかりに目がいきがちですが実は満期金がいくらになるか、そのときにならないと分かりません。そういった意味では確実な保障がほしいときには向いていない投資的な商品といえます。外貨建てに限らず自分が欲しい保障は何であったのか?その点をよく考えて保険を選ぶことが大事ですね。