LPAコラム「えっ!30万円…こんなに払うの?消費税」 | 生活協同組合コープみえ

LPAコラム「えっ!30万円…こんなに払うの?消費税」

消費税についておさらいしましょう

 4月から税込価格表示が義務付けられました。 これにより、私たちが支払う金額は一目でわかるようになりました。しかし、消費税をいくら払っているかはわかりにくくなっています。

どんな税金?

 物を買ったり、サービスを受けたりしたときにかかる税金は私たちが負担しますが、お店が納付するのは間接税です。  

戦後、日本の税制は所得税中心の税体系でした。復興期から高度成長期にかけて経済・社会は著しく変化し、税制においても現役世代など特定の世代に負担が偏ってきたことや、社会保障制度の安定充実をはかるため以下の理由で導入されました。

  1. 国民全体で広く負担をわかち合い、税の公平性を保つ
  2. 景気等の変化に左右されにくいので、税収が安定的する
  3. 貯蓄、投資を行う意欲や勤労意欲などといった経済活動に対する影響が小さい

◆財務省HP 税の引き上げについて

一方で、憲法25条の生存権規定に導き出される税金の応能負担原則に反しているという考え方もあり、以下の批判もあります。

  1. 逆進性の強い税制…消費税は所得の低い人ほど負担割合が高くなる
  2. 消費税の社会保障目的税化…今後のさらなる増税と社会保障費の抑制につながるおそれ

いつから?

 前身は1937年(昭和12年)に施行された贅沢品を対象とした「物品税」でした。今では当たり前の消費税ですが、当時世間は大騒ぎだったんです!

  • 1989年(平成1年)4月1日 初めて税率3%で消費税が導入
  • 1997年(平成9年)4月1日 税率5%に増税
  • 2014年(平成26年)4月1日 税率8%に増税
  • 2019年(令和1年)10月1日 税率10%に増税、同時に軽減税率8%導入

10%は高いの?

 「付加価値税」として全世界150以上の国や地域で採用されています。

付加価値税の標準税率(2019年現在) 国税庁HP「税の国際比較」

 アメリカには消費税がなく、小売売上税(Sales Tax)という似た税金がありますが、税率は州・郡市で違い、10%が一番高く0%のところもあります。

国民負担率(対国民所得比)の内訳の国際比較(2021年3月末現在) 財務省HPより

 日本の税率10%は諸外国に比べると低いようにみえますが、それぞれの国の社会保障制度や税制の違いにより、所得に対する負担割合は一概に消費税率だけで比較できません。

財務相HPより

 生活の一部になっている消費税ですが、日本における国税に占める割合は、所得税・法人税を抜き36.9%と非常に大きくなっています。以下は津市の一世帯(二人以上)あたりの一ヶ月の収入と支出から、LPAが独自に消費税を計算してみました。

支出   285,114円
食費     73,364円   
そのうち税金分 (8%)   5,434円
その他消費  211,750円   
そのうち税金分 (10%) 19,250円
計24,684円  

24,684円×12ヶ月=296,208円→年間 約30万円の支払い

◆総務省統計局HP 家計調査(家計収支編) 2020年

 大切なお金。どういった使われ方をしているのか注目していきましょう。そして、私たちが負担していることを忘れないで!