新年あけましておめでとうございます | 生活協同組合コープみえ

新年あけましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。 

コープみえとして迎える20回目のお正月。
みなさんはどのように過ごされたのでしょうか。

20年前、当時情報システム部の所属だった私は、 大晦日から年が明けての3日間、コープみえ合併に向けてのシステム変更の作業に仲間とともに携わっていました。チャンスは業務処理のない正月休みの期間だけ、失敗は許されません。

作業は緊張のなか順調にすすみ、 最後のデータの確認が終わった時には三重県での新しい生協としての第一歩に胸が熱くなったことを思い出します。 

さて、お正月といえば 「お餅」ですが、私には、生協のお餅に深い思い入れがあるのです。

全国的にも生協の活動がひろがり始めた70年代は、餅も粗悪なものが多く出回っており、「家族みんなが集まる正月に本物のおいしいお餅を食べたい」 という組合員の声が寄せられていました。 

当時は、大学生協による地域生協への支援が活発だった時代。東海地区の大学生協の仲間たちは、冬休みの学生食堂を工場にして本物の餅をつくろうと立ち上がりました。

年末の3日間、24時間体制での製造です。 吟味したもち米を使い、 杵搗きの機械でしっかり搗き、丁寧にのして、形を整えた搗きたての温かい餅はその名も「大学もち」。 搗きたての状態を保ったまま、それぞれの地域の組合員に温かいお餅が届けられました。 

私は学生として製造に参加したのですが、 実はこの活動、 夏頃から始まっていまし た。大学生協の役職員や学生、地域生協の職員が一緒になって、何度も会議を開き、組合員の要望である 「おいしい餅」 をなぜ私たちが造るのか、 どうすればもっとおいしいお餅になるのか、真剣な議論を積み重ねていたのです。 

お餅を食べて、 組合員や家族のみんなが笑顔で幸せな1年が始まる、生協で利用してよかったねという声が地域にひろがっていく。そして生協の協同の輪が重なりあって、豊かなくらしを築いていく。

そういうお餅だから心をこめて、おいしい本物の餅をつく ろうと、作業手順だけでなく、お餅に込めた想いを共有していきました。 いよいよ年末の本番、自分が造ったお餅から組合員の喜ぶ笑顔が生まれると思うと、ワクワクが止まりませんでした。

今、世界は大きな危機に直面しています。 それはあまりに大きく無力感を覚えるか もしれません。しかし、 笑顔でお餅が食べられるそんなくらしを大切にする 「生協らしさ」にこそ未来を切り拓く可能性があるのではないでしょうか。

コープみえは20歳になりました。 一人ひとりの声を大切にし、 組合員のくらしを 紡いでいく、そんな生協をこれからも組合員のみなさんと一緒に築いていきたいと思います。

生活協同組合 コープみえ 理事長 鈴木 稔彦