有機栽培コーヒーと山岳民族支援の物語~中野穂積さんをお招きして~
4月29日(木)オンラインにて くらしあんしん講座「有機栽培コーヒーとタイの山岳民族支援の物語」講演会を開催し、30名が参加しました。
※新型コロナウイルス感染症の影響を鑑み、伊勢センター、紀北センターでのパブリックビューイングは中止いたしました。
紀伊長島区三浦出身の中野穂積さんは、タイ北部のチェンライ県の山麓で1980年代から山岳民族の子どもたちの就学支援に携わってきました。近年は学校外教育で高校卒業を目指す若者たちを研修生として受け入れ、スタッフ、研修生、山の人々ともに険しい山の畑でコーヒーを有機栽培されています。
講演の中で、就学支援活動を通じた山岳民族の子どもたちと親たち・周囲の人々とのつながりが、険しい山肌でのコーヒーの有機栽培に結びついていること、コーヒーの他に山岳民族の方々の要望も聞きながらお茶やアボカドなどの栽培を通じて、山の環境保全をはかりながら山の水源確保のとりくみにも活動の輪を広げられていることなどをお聞きしました。
*中野さんにはタイからZoomでお話いただきました。
山岳民族の子どもたちが一緒に学んだ寮の様子↓
コーヒー苗の植え付け、植林やコーヒー豆の収穫の様子、農業指導、防火帯づくりの様子など↓
素朴で穏やかな中野さんのお話しの中に、北タイの山岳民族をめぐる差別や偏見、労働環境の厳しさから子どもも貴重な労働力であったこと、「勉強したい」という子どもたちの願いに寄り添った就学支援のとりくみが、いまでは山岳民族の自立と尊厳をサポートするとりくみになっていることが伺えました。
アンケートの受付期間が終了し、22人の参加者からアンケート回答をお寄せいただくことができました。アンケート回答の多くが「感動した」「素晴らしかった」「元気になった」というフレーズと共に寄せられました。また、多くの方が何らかの刺激を受けたと読み取れる感想を述べておられることもあわせて、今回の講座の開催してよかったと感じております。アンケート回答をいただいたみなさん、講師をお引き受けいただいた中野穂積さんに改めて御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。
素晴らしい活動家が、三重県にいらした事に感銘。活動のきっかけのところをもっと深く知りたかったので、NHKの番組を見ます。有機コーヒーを飲んでみたいです。 |
感動しました!特に支援の仕方(親子の絆のためにも無償にはしなかった、携帯電話は禁止、将来を考えて植樹など)に。これからもお身体を大切に頑張ってください。有難うございました。 |
凄くエネルギッシュな女性で、感動しました。わたしも日常生活の中で出来る事をしていきたいです。 |
豊かさとか幸せとか人のあり方をあらためて考えさせていただくキッカケになりそうです。中野穂積さんの肩に力の入っていない自然体な感じが素敵です。 |
最初は山岳民族の生活に興味をもたれ、それから学生の寮のたち上げやコーヒーの栽培までされる行動力がすごいと思いました。また自分が考えたことを押し付けるのではなく住民の方と関係を築き、一緒に話し合いをしながら相手の意向を尊重し活動されていることがとっても素晴らしいなと感動しました! |
中野さんの、いろんな出会いを一つずつ生かして、国境を超えての活動をされているお話を聞けて、本当に良かったです。こんな私でも、出来る事を探さねば、と思う事が出来ました。有難うございました。 |
ありがとうございました。タイとコーヒーというあまりつながりが感じられないタイトルに惹かれ視聴しました。親しみやすい話し方で、分かりやすかったです。どうぞお体にお気をつけて、次回のおはなしを伺えることを楽しみにしています。 |
いざりおりなどの織物の手芸品は、女性も活躍できるのでこれからも頑張ってください。これからの若い人が活躍できる場を作っていることに感動しました。 |
なかなか外国で活躍されている方のお話を実際に聞ける機会は少ないので、とても貴重な経験となりました。普段の何気ない生活の中からいろんなことを考えてみえることに感動しました。また機会がありましたら、聞きたいです。 |
教育応援から、幅広く次々と広がり、子ども達も巣だっていますね。タイの山岳のことは全く知らなかったです。ありがとうございました。 |
このような素晴らしい活動をされている方がいらっしゃることを知りませんでした。ありがとうございました。何かできことはないのかと思いますがなかなか実行できない現状です |
大変楽しく、元気になれるお話を拝聴しました。70代の自分も、まだまだ世の中の笑顔を広げるために、チャレンジ出来るかと思いました。日本と世界をつなぐ、ますますのご活躍をお祈りします。嬉しい1日でした。 |
私としては ZOOMで国外と話が出来るのが初体験で大きな一歩でした。セミナーに参加したきっかけは 昔、三重大学の梅林正直先生がタイの山岳地帯で梅を植林して地元の麻薬栽培から経済を変換させるプロジェクトをしておられた流れが中野先生につながりがおありなのかとか、そこへはどうやったら訪問できるのかとか(私の大のお友達がお茶栽培や製茶を営む方でラオスの山岳の村へ一緒に旅行したりしたことをお話したかったのですが、(手を挙げる)ポチが見つけられず、見つかった時、他の方が上手に話されていて気後れしてやっと拍手が送れた程度でしたが、繋がった感は大きかったです。 |
尊敬する女性が又増えました。良い機会をありがとうございました。コロナが終ってタイのチェンライを訪問しお会いすることが来る日がある事を祈っています。お体に気を付けてご活躍下さい。おいしいコーヒーも飲みたいですね 私たちは何をすればお手伝いできるのでしょうか。 |
タイの山岳地帯で子どもの学習の為に尽力なさっている姿素敵でした。また、それだけではなくその地域の特色や強みを活かしながらそこに住む方達の暮らしを豊かにされた事はとても凄いことだと思います。タイの方達の写真を見ているととても幸せそうに見えてよかったです。 |
来日された方の多くは、自国で仕事があれば日本に来なくても良かった方々が大半だと思います。そいった意味では途上国支援は必要な事だと思いました。日本でもタイでも地元を離れて都会へ働きに出ている人たちの中には、仕事があれば生まれ育ったところで暮らしたいと思ってい方が多くみえると思います。ただ、自分一人で仕事づくりできる人は多くないと思います。生まれ育ったところで暮らし続けられる社会にむけ、みんなで助け合っていければと思います。今回、途上国を支援している事がテーマの講座でしたが、話を聞くと、日本の現状よりずっと進んだ考え方を持っていると思いました。逆に、日本の先行きの方が心配になってしまいました。 |
以前から、存じ上げてた方でしたが、じっくりお話しを聞けまして、ほんとに良かったです。是非コーヒーを買わせて頂きたく思います。ZOOMで参加出来ると言うことで、この様な時期に貴重な時に参加できた事に感謝しています。ありがとうございました。 |
中野さんの人を思いやる気持ちと共に、環境や社会のことを考えて実行されている行動力に感動しました。 |
常に色々な取り組みに挑戦していて、とても素晴らしい活動だと思います。 |
タイの山岳地帯での中野さんのとりくみは大変なこともたくさんあったと思います。お話は興味深く、楽しく聞かせていただきました。栽培された有機栽培のコーヒーを飲んでみたくなりました。 |
長きに渡り活動されている中野さんのお話しに元気と勇気をいただきました。笑顔でお話しされながら、強い意志を持たれて活動されたことが伝わりました。私もがんばろうと思います。ありがとうございました。 |
中野さんの前向きで真剣な生き方に心を打たれました。近年、ある事が当たり前の中で甘んじて日々を過ごしていたことを反省したくなりました。生きていく環境や言語、生活習慣など山のような課題を乗り越えられ、さらに前に進まれるそのお話を拝聴できる機会を頂きましてありがとうございました。 |
アンケートの中でいくつかお答えできるご意見については、以下の内容でお返事に代えさせていただければと思います。
〇三重大学の梅林正直名誉教授(故人)と中野穂積さんとのつながりについて枠内のメッセージは中野さんからいただきました。(原文のまま)
昨年8月のチェンマイでの戦没者慰霊祭の折、5月に梅林先生がお亡くなりになったことを知りました。もうすぐ先生の命日になりますね。ご冥福をお祈りしています。
梅林正直さんについて 間もなく、梅林先生の御命日です。2020年5月27日87歳没
「タイのケシ畑を梅林に…」。1979年、初めてタイを訪れ、以後、70回以上に及びタイを訪れた。アヘンの生産地として知られるタイ北部~ラオス・ミャンマーとの国境地帯に広がる『黄金の三角地帯』で、私財を投じ、農業支援を行ないました。土壌学が専門で、大学教授だった梅林さんがタイを訪れた際、「標高1500mのタイ北部の山岳地帯で、ケシに代わる作物が栽培できないか」と相談を受けた。政府からケシ栽培禁止令が出ていたのだ。村では桃やコーヒーなどを試作したが、病虫害に見舞われ、うまくいかなかった。梅林は、梅栽培を提案。梅は高地に適し、加工しやすく、塩漬けなどで保存がきくので運搬もしやすい。村人たちは半信半疑だったが、梅林は「定着すれば、村の収入源になる」そう説く梅林の熱意に村長が動いた。畑のケシを取り払い、梅の苗を300本植えた。1997年、苗が4,5mほどに伸びているのを見て「やってみる価値はある。人生をかけてみよう」と決意した。後年ではマナオ(ライム)の植樹も行った。苗の購入代金など年に150万円ほどかかる活動費は日本での講演料などで賄い梅干しや梅酒の加工の指導など、長年にわたりタイ北部山岳地域での植樹ボランティアに従事し「自分の頭と体とお金を使って汗を流すのがボランティアの原点」と語った。長年にわたりタイ北部山岳地域での植樹ボランティアに従事し、タイにおける国際協力を推進した功績が認められ、2000年、観光省よりタイ国友好賞、2008年、外務大臣表彰が贈られた。
〇暁の家への訪問について
枠内のメッセージは中野さんからいただきました。(原文のまま)
その後携帯電話でもやりとりさせていただきます。
※詳しくは事務局までお問い合わせください。
中野穂積さんの活動のようすが、NHK WORLD(NHKの国際放送)の「SIDE BY SIDE」で紹介されました。2022年の2月3日までインターネットでご視聴いただくことができます。
なお、英語放送ですが、中野さんのインタビュー部分は日本語で英語の字幕がつきます。
【番組URLとQRコード】
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/ondemand/video/2037073/