福島の15年から学ぶ「忘れない」想い 命を守る「備え」 - 生活協同組合コープみえ

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福島の15年から学ぶ「忘れない」想い 命を守る「備え」

2026.03.27

 3月14日(土)、津リージョンプラザにおいて震災・防災学習会『語り部から聞く「震災からの体験」』を開催しました。会場31名、Web12名、計43名の多くの方に参加いただきました。

 東日本大震災から15年。節目の年となる今回、みやぎ生協・コープふくしま職員、福島県飯舘村から語り部のお二人をお招きし、地域のみなさんが「自分ごと」として震災と防災を考える貴重な機会となりました。

震災・防災学習会のようす

被災地・福島の現状と歩み

 廃炉の現実と避難者の実態をみやぎ生協・コープふくしま 池町江美子氏より「福島の今」が報告されました。福島は、地震の被害がある上に、東京電力福島第一原発事故もあります。溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出し作業は、880トンのうち、まだわずか0.7g、0.2gといった単位です。廃炉完了予定とされる2051年まだ先が見えない状況になっています。

 避難指示が解除されても、故郷に戻ったのは約2割。若い方たちは住まいを離れ、高齢化率は一気に上昇しています。避難先で家を建てた方は「避難者数」にカウントされませんが、「故郷をなくし、去った方々の実態は数字だけでは把握できない」という数字には表れない避難者として重い現実が語られました。

みやぎ生協・コープふくしま職員  池町さん
中間貯蔵施設から見た第一原発

語り部が語る、心に刻まれた15年

 福島県飯舘村からお越しいただいたお二人の言葉には、15年という歳月の重みが詰まっていました。

語り部 佐藤さん
語り部 佐々木さん

🔷「15歳、年を重ねたという現実だけ」:佐藤美喜子さん

能登半島地震に際し、一度は語り部活動を自粛しようと考えた佐藤さん。「福島は人災、能登は自然災害」と悩みましたが、周囲に背中を押され三重へ来てくださいました。「心は何も変わっていない。変わったのは、確実に15歳年を重ねたという現実。仮設住宅では隣の物音に怯え、薬を服用する人も多かった。『仮設から出たくない、出るならみんなと同じ場所へ行きたい』と願った高齢者の孤独は、今も地域の中にかたちを変えて残っています。」

🔷「命あるものは原発と共存できない」:佐々木千榮子さん

農家レストラン「氣まぐれ茶屋ちえこ」を営む佐々木さんは、農業への深い愛情とそれを奪った原発事故への憤りを語られました。「目に見えない、色もない放射能によって、生きてきた歴史を一瞬でなくした。土があっての農業、動植物の命をいただいての生業だった。 15年経ち、山は荒れ、猿や猪、または熊まで出没する村になった。お金で買えない大事なものをたくさん失ったけれど、唯一得たものはみなさんとの出会いです。どうか福島から学んでほしい。」と締めくくられました。

※福島県では、メディアにもよく紹介されています。

農家レストラン「氣まぐれ茶屋ちえこ」こちらをクリック

14年続く絆「つながりカレンダー」報告

 コープみえは、2012年から継続している「つながりカレンダー」プロジェクト活動を行っています。昨年12月に福島を訪問し、「つながりカレンダー」をお届けするため福島へ訪問する企画募集で参加された組合員、コープみえ理事、職員から、現地の様子が報告されました。

 参加された組合員の渡辺史子さん浩司さんご夫婦、浩さんは高校の教職員で子どもたちへ福島の話を今後したいとおっしゃられていました。

 ニュースで見るだけでなく、実際に足を運んで浪江町の請戸小学校や双葉町の伝承館を訪れ、「15年間時が止まっている家」や「家族全員を亡くした遺影」を目の当たりにした衝撃が語られました。復興公営住宅のサロンでカレンダーを手渡した際、「福島を忘れないでいてくれることが何よりも嬉しい」という言葉をかけられたことが、活動の大きな意義であることが共有されました。

つながりカレンダーをお届けしました!
福島企画へ参加された組合員さんから報告
福島訪問に同席した伊藤理事
コープみえ職員から福島訪問報告

南海トラフ地震に備え、私たちはどう行動すべきか

 コープみえ組合員コープアドバイザーで防災士の中村保親さんより、南海トラフ地震に向けた「命を守るための具体的な行動」が報告されました。「直ちには大丈夫」という言葉は、いずれ大丈夫ではなくなるということ。

 三重県南部では揺れからわずか5〜6分で津波が来ます。「長い揺れが来たら、スマホを見ずに高台へ」という鉄則が強調されました。避難所は圧倒的に足りません。「1ヶ月分は家庭で備蓄を」という呼びかけとともに、重要視された「トイレ対策(凝固剤や猫の砂の活用)」や、避難所での「性被害」という深刻な問題についても触れ、自分たちで自分たちのコミュニティを守る覚悟が必要であることが報告されました。

🔷コープアドバイザーとは

防災士のアドバイザー中村さん
当時被災された方が参加されていました
※画像提供:参加者より車が流される様子

 今回の企画に参加された組合員の方が、実際福島で震災にあった際、津波で自動車が流された話を学習会後に記録として持参された資料を参加者どうしで共有されている姿がありました。

 今回の学習会を通じて、福島のみなさんが歩んできた苦難と、三重に住む私たちが備えるべき未来が重なりました。

 語り部の佐藤さんがおっしゃった「当たり前は、実は当たり前ではなかった」という何気ない日常がどれほどもろいものなのかという言葉を胸に、これからも福島との絆を大切にし、一人の犠牲者も出さない地域づくりを、組合員のみなさんと共にすすめていきます。

みやぎ生協・コープふくしまのみなさん