「戦後80年、真の平和を問う」グローバル市民講座を開催しました - 生活協同組合コープみえ

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「戦後80年、真の平和を問う」グローバル市民講座を開催しました

2025.09.24

~語り継ぐ責任と未来への対話~

 9月13日(土)、みえ市民活動ボランティアセンター主催、生活協同組合コープみえと東海市民社会ネットワーク共催で、グローバル市民講座2025「戦後80年、真の平和を問う」を開催しました。講師には、日本生活協同組合連合会専務理事の二村 睦子氏と三重県原爆被災者の会会長の山口 詔利氏をお招きし、世界や日本の情勢を見つめ直し、「平和を実現するために私たちにできることは何か」について語り合いました。当日は、約40名の様々な世代の方にご参加いただきました。

生協がなぜ平和を大切にするのか

 講演の冒頭で、二村専務理事は、なぜ生協が平和を大切にするのかについて話されました。生協は、戦後の混乱期に「平和とよりよい生活のために」という理念を掲げ、1951年3月20日の日本生協連創立宣言のもと誕生しました。人々が安心して暮らすためには、戦争のない平和な社会が不可欠だからです。講演では、この理念が今もなお活動の根幹にあることが改めて伝えられました。

 また、2024年のノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の授賞式に参加された経験を紹介してくださいました。核兵器のない世界を牽引する役割と、平和への継続的な取り組みの重要性についてもお話しがありました。

日本生協連創立宣言1951年3月20日
東大29番教室で行われた日本生協連創立総会1951年3月20日

被爆体験を語り継ぐ「平和」への思い

 山口氏は長崎市で被爆され、三重県鳥羽市に就職後、1980年ごろに三友会に加わり、2017年から会長を務められています。戦争のさなか、爆心地から約1.5キロ離れた町に住んでおり、ご自身の被爆体験を語られました。戦争の悲惨さや、平和な日常がいかに尊いものかを具体的なエピソードを交えてお話しくださり、「戦争で多くのものが失われ、人々が苦しんだ過去を忘れてはいけない」という言葉は、参加者の方々の心に深く響いたことと思います。

 戦後80年を迎え戦争体験者が少なくなる中、「戦争の恐ろしさを想像力をもって次世代に伝え続けることの重要性」を強調されました。

「平和」を次世代につげるために

 最後は各グループの参加者のみなさんで「終戦80年、『真』の平和の実現に向けて~市民として」をテーマに交流を行いました。「なぜ戦争が起こり、核兵器まで使われることになったのか、その政治的背景を知りたい」という切実な声も聞かれました。講演を通じて、「平和」とは“戦争がないこと”だけではなく、一人ひとりの暮らしや人権が守られること、そして過去の歴史を正しく学び、風化させないことが重要であるとの意見が共有されました。 

 コープみえでは今年の夏、平和について考えるきっかけつくりに伊勢市のゴーリキ様の協力のもと「もう一つの核の問題」として、第五福竜丸の歴史を牛乳パックの工作を通じて学ぶ機会を設けました。また、平和に関する絵本の貸し出しも行っています。

 今回の講座で最も大切なメッセージは、「自分の大切な人のことを考える想像力」です。わたしたち一人ひとりが異なる価値観を尊重し、対話を通じて問題を解決する力を養うこと。そして、相手を思いやる心や、偏見のない視点を持つことが求められていることを改めて認識する時間となりました。